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最新の化粧品広告違反事例を解説~まつ毛美容液~

2020年7月26日

まつ毛美容液は、マスカラのようにブラシやチップ、あるいは手で直接、まつ毛の生え際等に塗布する商品である。

マスカラの使用で傷んだまつ毛をケアするということで、最近注目されている。

ところが、このまつ毛美容液を使用して目の周りが腫れた等の危害を受けたという相談が、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に2015年度以降381件寄せられ、特に2018年は急増している(281件)。

危害の内容としては、皮膚障害(赤み、かゆみ、痛み、腫れ等)が多く見られた。

独立行政法人国民生活センターでは、インターネットショッピングモールでまつ毛美容液が分類されるカテゴリーにおいて、売れ筋ランキングの高い商品など20銘柄について、製造者又は販売者のウェブサイト、商品本体、パッケージ及び取扱説明書等の表示の調査を行った(2019年5月10日~7月23日)。

20銘柄中、5銘柄は医薬部外品(育毛剤)、15銘柄は化粧品であった。

医薬部外品の育毛剤は、脱毛の予防及び育毛を目的とする外用剤で、効能又は効果の範囲は、“育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛”である。

言うまでもなく、頭髪、頭皮に使用することを想定している。

ところが、5銘柄の医薬部外品(育毛剤)には、以下の表示が見られた。

・アイラッシュ

・商品パッケージにまつ毛を強調した顔写真

・ラッシュにツヤを!

・こんな症状の方におすすめ「まつ毛が薄い」「まつ毛が短い」

・一本一本を補修しながら、つややかで美しいまつ毛に仕上げます

これらは、育毛剤の効能又は効果の範囲を逸脱しており、薬機法上問題となる恐れがある。

一方、化粧品の効能の範囲56項目には、まつ毛に関する効能は存在しない。

しかし、15銘柄の化粧品のまつ毛美容液について、約半数にまつ毛の育毛、修復に関する表示が見られた。

なお、まつ毛の“補修”はOKであるが、元に戻る“修復”、“再生”といった表現はNGである。

・まつ毛を育てたいという方におすすめです

・eyelash restoration(まつ毛修復)

・毛乳頭に直接作用して、毛髪の成長に不可欠な“成長促進因子”を産出し、発毛を促します

・育毛に有効であることが証明されている成分配合ですっぴんでも印象的な目元に

・まつ毛育毛

・まつげ美容育毛仕上

・まつ毛育成成分配合

・深く浸透美まつげ再生

これらは化粧品の効能の範囲を逸脱しており、薬機法上問題となる恐れがある。

なお、まつ毛の育毛、修復等の表現に見合ったエビデンス(合理的根拠)がないと、

景品表示法上も問題となる恐れがある。


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