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最新の化粧品広告違反事例を解説~抗菌、抗ウイルス商品~

2020年6月29日

抗菌、抗ウイルス商品に関して、手指に使用する化粧品の場合は、化粧品の効能の範囲内で、“(汚れを落とすことにより)皮膚を清浄にする”は謳えるが、抗菌、抗ウイルス、除菌は謳えない。

医薬部外品では、薬用せっけんで殺菌剤を有効成分とする場合、“皮膚の清浄・殺菌・消毒”を謳うことができる。有効成分の殺菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。

また、新指定医薬部外品の外皮消毒剤(外用液剤)では、“手指・皮膚の洗浄・消毒”を謳うことができる。こちらの有効成分としては、エタノール(76.9~81.4vol%)などが挙げられる。医薬部外品でも抗菌、抗ウイルス、除菌は謳えない。
すなわち、化粧品や医薬部外品で、抗菌、抗ウイルス、除菌を謳うと、薬機法違反ということになる。

ちなみに、手指用洗浄ジェル(化粧品)の容器に“アルコール71%配合”と表示して販売していた商品のアルコール量を分析したところ、実際のアルコール配合量は71%を大幅に下回ることが発覚し、5月19日に景品表示法(優良誤認表示)に基づく措置命令が出された。

一方、6月5日に消費者庁から「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品等の表示に関する改善要請等及び一般消費者等への注意喚起について(第3報)」が出された。
この中で、新型コロナウイルスについては、その性状、特性が必ずしも明らかでなく、かつ、民間施設における試験等の実施も不可能な現状において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品については、現段階においては客観性及び合理性を欠くものと考えられ、一般消費者の商品選択に著しく誤認を与えるものとして、景品表示法(優良誤認表示)等の規定に違反する恐れが高い、とされている。

除菌・抗菌スプレーについて、問題のある表示として、以下が例示されている。
・新型コロナウイルス、ノロウイルス、O-157、インフルエンザの予防や消臭に有効です
・新型コロナウイルス・花粉症対策!マスクに吹きかけて抗菌&除菌
・全てのコロナウイルス近縁のウイルスに対して、不活性化が期待できることが類推できます

これらは、手指に使用する化粧品ではなく、手指以外(ドアノブ、水道の蛇口、便座、マスク、テーブル、手すり、つり革、リモコン、スマホ、空間等)に使用する雑貨である。雑貨であれば薬機法の範囲外であり、具体的な菌名は言えないが、抗菌、抗ウイルス、除菌を謳うのは可能である。ただし、表現に見合ったエビデンス(合理的根拠)がないと景品表示法違反となる。


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